【環境Ⅱ】基礎講座③(採光・照明)

一級建築士

建築物の室内を適切な明るさに保つことは、生活をするうえで重要になってきます。

その際に、屋外から明るさを取り入れて調整することを「採光」、照明器具で明るさを調整することを「照明」といいます。特徴をしっかりと理解し、快適な住環境をつくれるようになりましょう。

目のしくみと比視感度

1.目のしくみ

目を人間の目とカメラの構造で比較してみよう。

水晶体の部分→レンズに相当

網膜の部分→フィルムに相当

網膜には、錐状体と稈状体の二種類の視細胞が存在。

錐状体を感じるもの

稈状体明るさを感じるもの

2.順応

順応には、明るさに慣れる明順応と暗さに慣れる暗順応があります。

昼間のトンネルから外に出た場合→明順応

昼間に映画館に入った場合→暗順応

※暗順応の場合、視力回復に時間がかかる。

3.比視感度

視感度とは、明るさの感じ方のことであり、人間の目に光として感じることができるのは、380nm~780nm(可視光線)の放射エネルギーである。

ここで、横軸に波長、縦軸に比視感度を示したものを比視感度曲線といいます。(右図参照)

明所視の場合、視感度が最も高いのは、黄緑色にあたる波長で555nm。

暗所視の場合、青緑色の視感度が最も高くなる。

このように、明所視と暗所視で見え方、感じ方がずれる現象をプルキンエ現象という。

光の単位

光の単位

1.光束F(㏐、ルーメン)

光束:単位時間に流れる光のエネルギー量、つまり光源全体の明るさを表すもの。

2.光度Ⅰ(cd=lm/sr、カンデラ)

光度:点光源のある方向の明るさを示す量、つまり単位立体角当たりの光束の量ともいえる。

3.照度E(lx=lm/㎡、ルクス)

照度:受照面の単位面積あたりに受けている光束の量

均斉度:照度計画において重要視される指標の一つ

照度の均斉度=作業面の最低照度/作業面の最高照度

※ 均斉度は、1に近いほど明るさにむらがなく好ましい状態

逆自乗の法則

点光源からの距離r(m)における球面上の面積がr²(㎡)であるときの中心からの広がり角を単位立体角という。

この部分の照度がE(lm/㎡)の場合、この部分の光束量はE×r²(lm)である。

よって、E×r²=Iとなり、逆自乗の法則が導かれる。

E=I/r²(㏓)

文章で表すと以下のようになる。

点光源からの照度Eは、光源の光度Iに比例し、光源の距離rの自乗に反比例する。

採光計画

採光計画

建築設計において、採光計画を行う場合、直射日光を除き天空光だけの照度を用いる。直射日光を含むと、照度の変動が激しく、グレア(不快なまぶしさ)を生じたりするためである。

設計用全天空照度

地表面から天頂にかけて何も障害物がないときの、天空光による水平面照度を全天空照度という。

※天空光は、快晴の青空よりも薄曇りのほうが全天空照度の値が高くなることに注意

昼光率

室内の採光を自然採光で得る場合、室内の照度は屋外の照度とともに刻々と変化していく。そのため、屋外の照度変化に影響されない指標が必要である。これが昼光率です。

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昼光率D=室内のある点の水平面照度E/全天空照度Es(直射日光を含まない) ×100〔%〕

※全天空照度が時刻や天候で変化しても、室内のある点における水平面照度もその変化と同じ割合で変化するため、昼光率は一定の値となる。

立体角投射率

実務的には、こちらを用いることが多い。

立体角投射率は、全天空照度(πr²)に対する、面光源の投射面積S”の割合で示される。

立体角投射率U=S”/πr² ×100(%)

実際の建物を考えたとき、窓から見た天空の広さをS、天空を球面にたとえた面積をS’、水平面に投射した面積をS”とすると、建物内部のある点における窓からの採光による昼光率は、立体角投射率で近似できる

窓から見た天空の広さは、窓の位置にも関連する。同じ面積をもつ側窓を考えた場合、水平面に投射した面積は、窓が低い位置にある場合よりも、高い位置にある場合のほうが大きくなる。

天窓は側窓よりも採光的に有利である。

環境 2⃣採光・照明:比視感度 光の単位 採光計画 照明方式 平均照度計算 光源の種類 | 一級建築士試験対策室
立体角投射率の算定図

照明計画

全般照明・局部照明

照明方式は、目的によって全般照明局部照明の2つに分けることができる。

全般照明:天井全体に多数の照明器具を規則正しく配置し、室内全体を一様に照明する方式

局部照明:個別に制御された特定の視作業のための手元照明方式

近年では、全般照明と局部照明を併用したタスクアンビエント照明が採用されている。

※全般照明の照度は、局部照明の1/3~1/10が望ましい。

直接照明・間接照明

光源を中心に、空間に拡がる光度の分布を表した曲線を配光曲線という。

直接照明:電気が直接対象物を照らすことで天井などから光の量が一定に部屋に入るため、作業をする照明に適している。

間接照明:光を何かにあてて、その反射した光で柔らかい光を作り出す、雰囲気照明に適している。

配 光 曲線 図 - englshbengkhi

演色性・色温度

照明による物体色の見え方→演色

物体色の見え方を決定する光源の性質を演色性という。また、ある温度において光を完全放射する理想的な黒体を想定し、その黒体の放射を絶対温度(K)で表したものを色温度という。

色温度と演色性の関係は以下のように覚えましょう。

演色性と色温度

光源の特徴

光源には、様々な種類が存在します。

それぞれの良い点悪い点を理解していきましょう。

まとめ(確認問題)

お疲れさまでした。今回は、採光・照明について勉強してきました。

光の単位に関しては、光束、光度、照度それぞれの関係性をつなげて覚えておきましょう。

また、立体角投射率、光源の特徴も大事になってきますので、ここで基本をしっかり覚えてしまいましょう。

確認問題

1.人の目が光として感じるのは、約380nm~780nmの波長の放射である。

2.明所視において同じ比視感度である青と赤であっても、暗所視においては、青より赤のほうが明るく見える。

3.光束(lm)は、ある面を単位時間に通過する光の放射エネルギーの量を、視感度を基準として測ったものである。

4.光度は、点光源から特定の方向に出射する単位立体角当たりの光束である。

5.点光源による直接照度は、光源からの距離の二乗に反比例する。

6.人工照明により全般照明を行う場合、照度の均斉度は、1/10程度あればよい。

7.全天空照度には、直射日光による照度は含まない。

8.昼光率は、全天空照度によって異なる。

9.採光計画において、高い均斉度が要求される室には、高窓や天窓が有効である。

10.白熱電球のランプ効率は、蛍光ランプに比べて周囲温度の影響を受けやすい。

答え

1.〇 2.× 青と赤が逆 プルキンエ現象3.〇 4.〇 5.〇 6.× 人工照明:1/3 片側採光:1/10以上 7.〇 8.× 昼光率は、一定 9.〇 10.× 周囲温度変動による効率の変動が大きいのは、蛍光ランプ

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